消化器内科

概要・特色

 現在、4名の常勤スタッフで診療を行っています。
消化器内科が対象とする臓器は消化管(食道・胃・小腸・大腸)、肝臓、胆道(胆嚢・胆管)、膵臓と幅広く、疾患も多岐にわたりますが、外科・放射線科とも連携をとりつつ、すべての領域の疾患に対応できる体制を整えております。
 外来では常に、消化器系の全領域の疾患に対応可能ですので、消化器症状でお困りの方はいつでも気軽に受診されてください。

スタッフ紹介

森 健治  院長

森 健治  院長

昭和63年 山口大学医学部卒業
日本内科学会 認定内科専門医
日本消化器病学会 専門医
日本肝臓学会 専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医

花園 忠相  消化器内科科長

花園 忠相  消化器内科科長

平成22年 久留米大学医学部卒業
日本内科学会 認定内科専門医
日本消化器病学会 専門医

播磨 博文  胆膵内科科長

播磨 博文  胆膵内科科長

平成21年 久留米大学医学部卒業
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医
日本膵臓学会 指導医
日本胆道学会 指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医

川野 道隆 胆膵内科副科長

川野 道隆 胆膵内科副科長

平成22年 埼玉医科大学医学部卒業
日本内科学会 認定内科専門医
日本消化器病学会 専門医

外来担当医表

外来窓口:[1階]11番 消化器内科

令和4年1月4日より

 
午前 森 健治(再診)
播磨博文
花園忠相 播磨博文 川野道隆 花園忠相
  • ※外来担当表は、予告なく変更される場合がございます。来院前に必ずお電話でご確認ください。
  • ※休診予定については、お電話にてご確認ください。連絡先:083-262-2300(代表)

消化管(食道・胃・小腸・大腸)の治療

早期癌の内視鏡治療

 早期の消化管癌に関しては、外科的手術ではなく内視鏡的に切除することが可能です。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は胃では2006年に、食道では2008年に保険収載されており、当科でもこれまで食道癌に対しては20件以上、胃癌に対しては400件以上の治療を行っております。2012年には大腸に関してもESDが保険収載され、適応症例に対しては積極的に施行しております。
胃ESD
図1 白線で囲まれた赤く隆起しているところが胃癌です。
図2 内視鏡から電気メスを挿入し、病変を剥離していきます。
図3 病変の剥離が終わったところです。
図4 摘出された胃癌です。

小腸疾患

 上部・大腸内視鏡検査を行っても原因不明な消化管出血の原因としては、小腸疾患の可能性が考えられます。通常行われている内視鏡検査では小腸を観察することはできませんが、当科では小腸観察用のカプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡を導入しておりますので、小腸の精査を行うことが可能です。貧血や血便などがあり、通常の内視鏡検査を行っても原因が不明な場合や、CTなどで小腸疾患が疑われ小腸検査をご希望される方は、まずは外来を受診されてください。

消化管狭窄に対するステント留置

 消化管の癌が大きくなると、通過障害をきたして食べ物を摂取できなくなります。そのような患者さんのうち、外科的手術が困難な場合には、内視鏡を用いて狭窄している消化管にステントという金属性の網状の筒を留置することにより通過障害が解消され、再び食べ物が摂取できるようになります。
大腸ステント留置
図1 進行した大腸癌によって通過障害を起こしています。
図2 ステントを挿入したところです。溜まっていた腸液が流れてきています。
図3 ステントをレントゲンでみたところです。ステントが狭くなっている部位はこの後拡張していきます。
 
 その他、近年増加している潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の診療経験も豊富であり、血球成分除去療法や生物学的製剤の使用等の様々な治療を行うことができます。また、癌に対する抗癌剤治療も行っています。

胆膵の治療

内視鏡的逆行性胆管膵管造影:ERCP

 肝臓や胆嚢から分泌された胆汁は、総胆管という管を流れて十二指腸に出ていきます。
 この総胆管に結石や腫瘍が存在すると、胆汁の流れが悪くなり、胆管に炎症を引き起こすため治療が必要です。
 胆管の病変に対しては、内視鏡を用いた処置を行います。
 内視鏡を十二指腸まで挿入し、総胆管に処置具を挿入して結石の排石を行ったり、腫瘍の生検や胆汁の流れをよくするドレナージチューブを留置します。
ERCP
図1 十二指腸の総胆管の入り口です(十二指腸乳頭)。
図2 総胆管に処置具を挿入して造影したところです。結石を認めます。
図3 結石を処置具でつかんでいます。
図4 結石を十二指腸に引っ張り出してきたところです。

急性膵炎

 飲酒や総胆管結石によって発症する急性膵炎は、重症なものでは生命にかかわり、集中治療が必要です。当院では動注療法(膵臓を栄養する血管に直接薬剤を流す治療)や持続的血液濾過透析(CHDF)を施行することができ、重症急性膵炎にも対応可能です。
 
 その他、慢性膵炎の治療や胆道癌・膵癌に対する抗癌剤治療も行っています。

肝臓の治療

 当科では急性肝障害肝移植を除いた急性肝不全治療を含むや慢性肝障害、肝硬変症によって生じる諸病態に対する治療など、肝疾患全般のほぼすべての治療を行うことができます。

慢性肝障害の治療

 ウイルス性肝炎や脂肪肝、自己免疫性肝炎などで肝臓に慢性的な炎症が生じると、将来的に肝硬変となり、肝機能不全や食道・胃静脈瘤、肝細胞癌の発症などにより命を落としてしまう可能性があります。
 まずは肝硬変になることを防ぐことが重要です。ウイルス性肝炎、特にC型肝炎ウイルスに関しては毎年のように新規薬剤が登場し、治療効果もかなり高くなっています。
 当科ではウイルス性肝炎に対して最新の薬剤で治療を行うことができます。
 また、その他の慢性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、Wilson病など)の治療経験も豊富です。

食道・胃静脈瘤の治療

 肝硬変により門脈圧亢進症が生じると、食道や胃に静脈瘤を形成し、放置すると突然破裂し大量出血する可能性があります。
 静脈瘤の治療として、当科では内視鏡を用いて静脈瘤に硬化剤を注入し、静脈瘤を固める内視鏡的硬化療法を行っています。
 また、内視鏡治療が困難な胃静脈瘤に対しては、放射線科医による治療(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術:B-RTO)を行っています。

内視鏡的硬化療法
図1 食道に静脈瘤があり、破裂の危険があります。
図2 静脈瘤結紮用のゴムリングのついた透明なフードを内視鏡につけて治療を開始します。静脈瘤に針を刺して硬化剤を入れます。
図3 レントゲンで確認すると、硬化剤が静脈瘤とその供血路に流れて行っています。

肝細胞癌の治療

 当科では、ラジオ波焼灼術、肝動脈化学塞栓術、肝動注化学療法や内服治療(ソラフェニブ)を行っています。また、外科では肝切除術、放射線科では放射線治療を行っており、肝細胞癌に対する治療は網羅しています。
 肝動脈化学塞栓術では、新規塞栓物質(血流を遮断する物質)である薬剤溶出性ビーズやバルーンカテーテルという特殊なカテーテル(肝細胞癌に薬を注入するため血管内に入れるチューブ)の使用などを行っており、各治療において最先端の技術を導入するように心掛けています。

診療実績

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