整形外科

概要・特色

整形外科とは?

 整形外科とはケガ,病気により損なわれた機能を再建する分野です。たとえば骨折により歩けない,手がしびれて動かせない,力が入らないといったものを回復へと導くのです。その手段には保存治療(手術をしない)と手術治療がありますが,地域の中規模病院である当院のような病院では手術による再建が要求されています。
 昨今の整形外科治療には特色が2点あります。それは高齢者の増加に伴い,高齢者整形外科とも呼べる分野が発展してきており骨粗鬆症の治療や,高齢者に頻発する大腿骨頚部骨折(股の付け根の骨折)や橈骨遠位端骨折(手首の骨折)に対する手術治療が増加している点です。社会の変革に伴い高齢者の独り暮らしや障害を持った配偶者との二人暮らしなどの家庭が急増しています。そのような時代の中では,昔のように曲がってもそのうち治ればよい,という治療は行えません。いかに早く家庭へ帰るか,社会へ復帰するか,しかしこの問題は手術材料,手技,麻酔の改善に伴い可能となりつつあります。
 もう一つの特色は低侵襲手術です。関節などにカメラを挿入して手術を行う関節鏡手術などの発展により,できるだけ皮膚切開を小さくし,術後の長期の安静を必要とせず,早期の社会復帰が可能となっています。

 当科では整形外科全般的に加療が可能で年間手術数は1400件を超えますが,なかでも手外科(上肢の外科)手術,外傷手術の数が多く,手外科の手術例のみで年間500例を超えます。日本手外科学会専門医(2名),日本手外科学会代議員(1名),日本骨折治療学会評議員(1名)を有しており,手外科手術は日本トップレベルを有し,骨折治療は AO (スイスの骨折治療指導財団)のライセンスを有した医師の治療により全国レベルを維持しています。これらの手術方法,成績は国内外へ学会発表,論文,講演という形で情報発信を行っており(別項をご参照ください),その実績は高く評価され,患者さんは関西,九州からも受診されています。毎年,国内から他大学,病院の先生方の手術見学を随時受け入れており,またこれまで海外(米国,ドイツ)からの手術見学も2度受け入れています。ここでは手外科手術のいくつかについて記述します。

手関節鏡手術

 手関節に直径 2。3mm 程度のカメラを挿入し手術を行います。当科では橈骨遠位端骨折,三角線維軟骨複合体(TFCC)と呼ばれる手首の中の軟骨,靭帯損傷手術をはじめとして,様々な手首の病態に本手術を積極的に行っています。科長の安部は EWAS (ヨーロッパ手関節鏡学会)のメンバーであり,台中市(台湾)の関節鏡教育施設(Asian Institute of Telesurgery)の客員教授でもあります。これまでの6年間に日本,アジア,さらには欧米の先生方を指導しており,すでにその数は100名を超えています。

手指腱鞘炎(バネ指など),手根管症候群

 よくみる疾患であり指が曲がりにくい,手指がしびれる,などの症状を呈します。麻酔剤の注射により軽快しますが,再発することも多い疾患です。当科では極細の注射針により麻酔をかけ,10分程度での手術,そして抜糸不要の縫合法により,患者さんに負担をかけず早期の復帰を実現しています。

微小外科(マイクロサージャリー)

 切断された指の再接着,足指の移植による手指の再建,骨折偽関節(骨が癒合しない)に対する血管柄付き骨移植,などの手術が可能です。

脊椎外科

 2019年7月1日から当院に片岡秀雄医師が赴任しました。 専門は脊椎外科で頚椎・胸椎・腰椎の脊椎の手術を行っています。
腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎内視鏡手術
 MED
 
 腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症に対する手術侵襲をより低侵襲化するため,脊椎内視鏡手術(MED::Micro-Endoscopic Discetomy)を前勤務先の病院で開始しました。内視鏡手術はその低侵襲性により患者側からの関心が非常に高いと思われます。
 しかし手術は難易度が高く,技術的に高度で安定した手術手技を習得することは容易ではありません。日本整形外科学会は手術手技の向上と手術の安全性を確保し手術合併症を減らす目的で脊椎内視鏡手術の技術認定医制度を2004年から開始しています。審査は年に1回で合格率は毎年50%程度で,今までに160人の医師が合格しています。片岡医師は2011年4月に技術認定医の資格を取得し,2019年6月までに748件の脊椎内視鏡手術を施行しています。

手術は全身麻酔下に行うため手術前日の入院としています。
脊椎内視鏡の直径は16ミリであり,手術時の皮膚切開は18ミリで行っています。
術後,原則としてコルセット装着は行っていません。術翌日からトイレ歩行を許可し,術後2日目から痛みに応じて歩行訓練を行っています。術後5日目で抜糸を行います。
創が治癒すれば腰椎椎間板ヘルニアの場合は退院としており,患者希望があれば術後2日目以降の早期退院も許可しています。
腰部脊柱管狭窄症の場合,創が治癒してもまだリハビリが必要な場合も多く,術後1~3週間程度の入院となることが多いです。

 2020年1月、脊椎内視鏡(FED)を購入し、搬入されました。
PED
 

関節外科

 関節外科は、外傷に伴う骨折などにより機能を損なった関節や、変形性関節症などの慢性疾患により、高度に変形を生じた関節に対して、治療を行います。その対象は肩関節、肘関節、股関節、膝関節をはじめ、足関節や足趾関節に及びます。
 前者の場合、関節のずれが許容範囲を超えて残存すると、著しい機能障害が残ったり、比較的早い段階で、変形性関節症のような変化が生じることもあります。綿密な計画のもと、適切かつ確実な整復を行い、関節機能の再獲得を目指します。
 後者に対しては、主に人工関節手術を行います。従来から行われている、レントゲン画像に基づいた術前計画に加え、3Dシミュレーションによる、更に詳細かつ正確な評価を行い、手術に臨みます。近年は人工関節インプラントの進化に加え、様々な手術方法が考案されています。当院でも、より低侵襲な手術を行うため、例えば人工股関節は前方進入法を導入するなどしています。筋肉を切らない方法であり、脱臼の心配が少ないので、術後生活の満足度も高いと考えています。より満足度の高い手術を行うため、最適なデバイスやアプローチを用いて手術を行います。

 このほか、腱板断裂,鏡視下バンカート修復術などの肩の手術,頚髄症,腰椎椎間板ヘルニアをはじめとする脊椎手術,外反母趾を代表する足の手術など整形外科全般の手術が可能です。

 整形外科の治療,手術方法は刻々と劇的に変化しています。我々の使命は各々病態の異なる患者さんに即した適切な治療法を選択することにあります。運動機能に支障のある方々はお気軽にご相談ください。ただ外来は混雑することが多く,各医師の専門性が異なることもあり,多少の不便をお掛けすることもあることをご了承ください。

スタッフ紹介

安部 幸雄 副院長

安部 幸雄 副院長

昭和62年宮崎医科大学医学部卒業
山口大学整形外科 臨床准教授
The Asian Institute of Telesurgery(台湾)客員教授
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 スポーツ医
日本整形外科学会 リウマチ医
運動器リハビリテーション学会 専門医
日本手外科学会 専門医
日本手外科学会 代議員
日本骨折治療学会 評議員
ASSH(米国手外科学会)会員
EWAS(ヨーロッパ手関節鏡学会)会員
The best doctors in Japan 選出

片岡 秀雄  整形外科 科長

片岡 秀雄 整形外科 科長

平成3年 山口大学医学部卒業
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医
日本整形外科学会 脊椎内視鏡下手術・技術認定医
日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科指導医

武藤 正記

武藤 正記

平成14年 山口大学医学部卒業
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 リウマチ医
日本体育協会公認 スポーツ医

 

藤澤 武慶

藤澤 武慶

平成16年 山口大学医学部卒業
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 リウマチ医
日本整形外科学会 スポーツ医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
日本人工関節学会 認定医

髙橋 洋平

髙橋 洋平

平成19年 山口大学医学部卒業
日本整形外科学会 専門医

外来担当医表

外来窓口:[1階]14番 整形外科

令和2年7月1日より

科名
 
整形外科 午前 片岡秀雄
武藤正記
藤澤武慶
髙橋洋平(隔週)
安部幸雄
髙橋洋平
片岡秀雄(予約)
武藤正記
武藤正記
藤澤武慶
髙橋洋平
片岡秀雄
藤澤武慶
スポーツ外来
手の外来
14:00-16:00 安部幸雄
  • ※外来担当表は、予告なく変更される場合がございます。来院前に必ずお電話でご確認ください。
  • ※休診予定については、お電話にてご確認ください。連絡先:083-262-2300(代表)

診療実績

学会発表・論文

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