薬剤部

薬剤部の理念

「患者さんにとって有効かつ安全な薬物療法をサポートする」

薬剤部の紹介

  • 薬剤部長 中村英治
 私たち薬剤師は患者さんが安心して安全に薬物治療が受けられるように日々努めています。24時間365日途切れること無く薬剤師を院内に常駐させ、薬剤の供給、情報提供にあたっています。特に医療安全には薬剤師が必須であると考え、医薬品が適正に使用されるよう、また副作用が未然に防げるように注意を払っています。職員だけでなく患者さんからも信頼され、何でも相談してもらえるような薬剤部にしたいと思います。

スタッフ紹介

薬剤部長 中村 英治
 以下 薬剤師18名(うちパート1名)、補助者5名

日本病院薬剤師会 がん薬物療法専門薬剤師 1名
日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 1名
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1名
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 1名
日本臨床栄養代謝学会栄養サポートチーム専門療法士 2名
日本循環器学会 心不全療養指導士 1名
日病薬病院薬学認定薬剤師 5名
日本薬剤師研修センター 認定薬剤師 2名
日本薬剤師会 JPALSレベル6 1名
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 5名
日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師 5名


やまぐちアレルギーサポートスタッフ 2名
BLSプロバイダーコース 1名

 
2023年6月現在
 学会発表、参加など専門資格取得をバックアップしています。

薬剤部の業務

調剤業務

 処方上の不備、用法・用量、検査値、相互作用、調剤方法などをチェックし、疑問があれば医師に問い合わせて確認した上で調剤します。院内処方箋には検査値、体重を表示し、患者さん個々の状態に応じた処方提案を行っています。薬剤師は従来の「対物業務」から、「対人業務」へのシフトが求められている中、限られた時間を有効活用していくために、当院では自動調剤機器の導入を進めています。これらは調剤過誤の防止や待ち時間の短縮にもつながります。

注射調剤業務

 注射薬自動払い出しシステムを導入して業務の効率化をはかり、1人1人の患者さんごとに投与量、投与方法、速度、配合変化、濃度、投与ルート等の確認後に薬剤をセットして払い出しています。
 

薬剤管理指導・病棟業務

 各病棟に担当薬剤師を決め、医師や看護師、栄養士などの多職種と連携を密にとっています。患者さんに薬剤の効果や用法・用量、副作用などの説明を行い、アドヒアランス向上に貢献しています。検査値からだけでなく、患者さんからの訴えにも耳を傾け、薬剤の効果や副作用を評価して医師へ積極的に処方提案をしています。また、全入院患者の持参薬鑑別、カンファレンスへの参加、回診の同行、TDMなども行っています。
 

TPN(高カロリー輸液)調製

 TPNは、栄養状態の悪い患者さんや長期間(1週間以上)経口摂取ができない患者さんに対して、高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与することで、エネルギーをはじめ、からだに必要な栄養素を補給することができます。しかし、細菌汚染や異物混入などのリスクがあるため、薬剤師がクリーンベンチ内で調製を行っています。


 

製剤業務

 市販されていない特殊製剤を院内製剤として調製しています。

抗がん剤調製

 抗がん剤は有害で取り扱いには専門的な知識が必要です。当院ではアイソレーターを他施設に先駆けて導入し、すべての抗がん剤を薬剤師が調製しています。アイソレーターは、作業空間が調製者と完全に隔離されたグローブボックスとなっており、従来の安全キャビネットと比較して抗がん剤の曝露を低減できると考えられています。また、患者さんごとの治療計画に基づき、投与量、投与時間、間隔、検査データなどが適正であるか、複数の薬剤師で確認した後に調製を行います。

医薬品情報管理業務

 専用のDI室を備え、医薬品情報の収集、整理、加工、提供を行っています。院内の医薬品情報の発信基地であり、月に1度「薬局だより」を発行し、医療スタッフへ情報提供を行っています。また、医師や看護師などからの質問にも対応しています。
 

薬品管理業務

 院内の薬品供給センターとしての機能を果たしています。約1550剤の常備薬があり、最適な温度、光、湿度の条件で保管しています。適正な購入計画、在庫率の圧縮、使用期限のチェックや期限切れ薬品をなるべく出さないよう関係部署に働きかけを行い、医療経済面にも重要な役割を果たしています。

治験業務
 治験は医薬品が市販されるまでの開発時の最終段階で人を対象として、有効性や安全性を確認する試験です。治験事務局としての業務や治験審査委員会運営、治験薬管理、治験薬の調剤を行っています。

業績

論文
米北浩人、藤田淳志、津野侑子、中村英治
日本緩和医療薬学雑誌 14:7-13 (2021)
一般病棟の終末期における化学療法の現状

米北浩人、髙瀬久光、緒方憲太郎、二神幸次郎 、野元諭、吉満研吾、中川尚志、徳永惣平
頭頸部癌におけるS-1併用化学放射線療法による口腔粘膜炎出現時期の検討
癌と化学療法 Volume 41, Issue 13, 2571 - 2575 (2014)

雑誌
米北浩人
人と人 私を支えている「師」との出会い
週刊薬事新報第3128号 2019.12
 
学会発表
清水 美里、米北 浩人、藤田 淳志、中村 英治
Pharmacy Isolator導入による抗がん薬調製の業務効率に与える影響
日本臨床腫瘍薬学会学術大会 2023.3

藤田 淳志、米北 浩人、津野 侑子、中村 英治
当院における外来がん化学療法への取り組みについて
日本臨床腫瘍薬学会学術大会 2022.3

生田侑子、米北浩人、藤田淳志、長田悠子、篠原麻里乃、中村英治
抗がん剤の環境汚染調査に基づく曝露対策への取り組み
日本臨床腫瘍薬学会学術大会 2020.3
 
米北浩人、藤田淳志、中村英治
終末期における化学療法継続に関わる因子の検討
第29回日本医療薬学会年会 2019.11
 
藤田淳志、米北浩人、生田侑子、中村英治
アミオダロンによる肺胞出血に対してステロイドパルス療法が著効した1症例
第52回日本薬剤師会学術大会 2019.10

米北浩人、須藤学拓、和泉隆平、中村英治
Bevacizumabによるネフローゼ症候群が疑われた一例
第27回日本医療薬学会年会 2017.11

米北浩人、中村英治、徳永惣平、南佳秀
オキサリプラチンによる末梢神経障害に対するラフチジンの有用性の検討
第49回日本薬剤師会学術大会 2016.10
 
河田竜一、山本千春、柴田敏子、米北浩人、古田久仁子、黒津愛奈美
局所麻酔薬の持続注入による神経ブロックでがん性痛のコントロールを行った3症例
第21回日本緩和医療学会学術大会 2016.6
 
米北浩人、黒津愛奈美、森健治
がん化学療法におけるレジメンシートを活用したHBV再活性化対策
第25回日本医療薬学会年会 2015.11
 
髙瀬久光、米北浩人、緒方憲太郎、二神幸次郎 、野元諭、吉満 研吾、中川尚志、徳永惣平
The appearance time of oral mucositis induced by S-1 concurrent chemoradiotherapy for head and neck cancer
第12回日本臨床腫瘍学会学術集会 2014.7
 
首藤尚子、中村英治、椙山伴子
当院のPCI施行患者におけるクロピドグレルの副作用について
第72回九州山口薬学大会 2010.9
 
伊藤晶子、小島祥子、椙山伴子、中山尚登
NST薬剤師としてワルファリンの相互作用を経験した一例
第72回九州山口薬学大会 2010.9
 
不妊治療におけるバイアグラ膣坐薬の調製と有用性
福田貴之、中村英治、椙山伴子、嶋村勝典、髙崎彰久、森岡均
医療薬学フォーラム2005 第13回クリニカルファーマシーシンポジウム 2005.7

他職種との連携

感染対策チーム
 医師、薬剤師、看護師、検査技師が週1回集まり、ラウンドを行っています。カルテを見ながら、広域抗菌薬の適正使用のために、培養の提出や、抗菌薬の変更などを主治医に提案しています。また、各部署の消毒薬の期限や、使用方法を確認し、感染の予防に努めています。

栄養サポートチーム
 多職種の専門スタッフで構成され、週2回ラウンドを行っています。それぞれの専門知識・技術を持ち合い、食事・点滴内容、離床に向けたリハビリや口腔管理など、個々の患者さんにとって最良の栄養プランを提案し、主治医と連携して栄養面から介入しています。

緩和ケアチーム
 医師、薬剤師、看護師、栄養士、理学療法士、社会福祉士が目標を共有してがん患者やその家族を支援しています。週1回病棟ラウンドとカンファレンスを行い、薬剤師はオピオイドや鎮痛補助薬の提案や投与量調節、副作用対策、服薬指導、在宅ポンプ調製、また市販されていない特殊な薬剤(院内製剤)を作成して質の高い症状緩和に努めています。

褥瘡対策チーム
 医師、看護師、栄養士、理学療法士及び薬剤師が週1回集まり、褥瘡を保有している患者さんの回診や治療方針等を話し合っています。皮膚トラブルを抱えている患者さんについても、各種の専門性を生かし意見交換しています。

糖尿病教室
 糖尿病に興味のある方を対象に週1回医師、薬剤師、糖尿病認定看護師、管理栄養士、検査技師、理学療法士、歯科衛生士による糖尿病教室を行っています。薬剤師は隔週でカンバセーションマップに参加しています。
 
キャンサーボード
 手術、放射線療法、化学療法の専門医、薬剤師、看護師などの多職種が集まり、がん患者の治療方針などについて月1回意見交換を行っています。治療レジメンや支持療法の提案、薬剤の情報提供などを行い、その後の治療に大きく反映されています。

その他

薬学6年制の実習生受け入れ
 当院では、薬剤師育成のため積極的に実習生の受け入れを行っています。
 十分な経験のある薬剤師の指導のもと、実習を行っておりますのでご了承下さい。
 
院外処方箋発行
 平成21年6月1日より外来は全面院外処方となっております。

がん化学療法レジメン

研修会のお知らせ
第4回外来がん化学療法地域連携研修会
2023年9月26日申し込み終了


連携充実加算算定について

当院では、令和3年4月より外来がん化学療法の質向上を目指し、保険薬局や他の医療機関との連携を強化する目的で、連携充実加算の算定を開始しました。それに伴い、がん化学療法の内容や実施状況、副作用の発現状況を記載したシールをお薬手帳に貼付して患者さんへお渡しいたします。

がん化学療法レジメン公開について
 
当院で使用しているがん化学療法レジメンを公開しています。これは、当院においてがん化学療法を受けられる患者さまの適切な投与管理を行うために地域の保険医療機関や保険薬局を対象に公開しております。下記の注意事項を確認した上でご活用下さい。
 
<注意事項>
・一般の方への情報提供を目的としたものではありません。
・適切な投与管理以外を目的とした使用や無断転用は禁止します。
・投与量及びスケジュール等は、患者さまの状態によって変更される場合があります。
・公開内容は随時更新を行っていますので、最新の情報をご確認下さい。
・当院のレジメンをもとに他施設でのレジメン登録は行わないようにお願いします。
・本資料を利用することによって生じるいかなる損害等についても、
 理由の如何に関わらず当院は一切責任を負いません。
 
<お問い合わせ先>
●疑義照会及び緊急性の高い情報提供
TEL:083-262-2300 (平日17時までは各科外来、時間外・休日は救急部)
●連携充実加算や特定薬剤管理指導加算2についてのご質問
TEL:083-262-2300 薬剤部
●トレーシングレポート
FAX:083-262-2307 薬剤部
 
以上を同意の上でご使用下さい。
 
<レジメン>
大腸癌
胃癌
食道癌
膵臓癌
胆道癌
肝臓癌
乳癌
肺癌
卵巣癌
子宮体癌
子宮頸癌
前立腺癌
膀胱癌
腎臓癌
精巣腫瘍
頭頸部癌
脳腫瘍
肉腫
MSI-high 
TMB-high
原発不明癌

2023年7月更新

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