肺がん

肺がんの診断

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 現在がんの死亡数において、男性で1位、女性では2位となっているのが肺がんです。さらに肺がんの罹患数は増加の一歩をたどっており、今後さらに死亡数が増えるのではないかと予想されています。したがって肺がんの診断治療は今後ますます重要となってくると思われます。
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 現在がんの死亡数において、男性で1位、女性では2位となっているのが肺がんです。さらに肺がんの罹患数は増加の一歩をたどっており、今後さらに死亡数が増えるのではないかと予想されています。したがって肺がんの診断治療は今後ますます重要となってくると思われます。肺がんの症状はいろいろなものがあり、「この症状だから肺がん」というような特徴的な症状はありません。咳であったり、痰や血痰、胸痛、呼吸困難感などであったり、全く無症状の方もおられます。

 胸部レントゲンや胸部CTによる検診などで見つかる人も多く見受けられます。CTなどで肺がんが疑われたら次に確定診断をつけます。確定診断には腫瘍からがん細胞を証明するほかにありません。
その方法として気管支内視鏡検査・CTガイド下肺生検・胸腔鏡下肺生検などがあり、状況に応じて行われます。
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 肺がんと診断されたならば、次には病期を決定します。病期とはがんの進行程度を表すもので、ⅠA期からⅣ期まで7段階に分かれています。


 この病期によってその後の治療方針が決まりますので重要な作業といえます。病期決定には造影CT・PET・MRI・骨シンチグラフィーなどを用います。

肺がんの治療

 肺がんの治療には他のがんと同じく手術・放射線・抗がん剤の3本柱があります。どのような治療を行うのかは先ほどの病期によって違い、おおむねⅠ期・Ⅱ期の肺がんは手術、Ⅲ期・Ⅳ期は放射線や抗がん剤治療を行うことがメインとなります。例外はもちろんありますので必ずその通りというわけではありません。

 手術は一般的にがんの存在する肺葉(上葉や下葉など)を切除する肺葉切除術が一般的です。近年では胸腔鏡手術が発達してきており、この肺葉切除術を胸腔鏡下に行う手術が定着しつつあります。当院においても完全鏡視下肺葉切除術に取り組んでおり良好な成績を得ています。また従来の開胸手術も行い進行した肺がんに対しても完全切除が行えるような体制を整えています。また術前や術後に抗がん剤や放射線治療を組み合わせるような場合もあり、これを集学的治療などと呼んでいます。

 抗がん剤治療も最近めざましい発展を遂げています。いろいろな抗がん剤を組み合わせることにより長期生存が得られるようになってきています。特にこの数年で研究が進んでいるのが、肺がんの遺伝子異常をとらえ、これを狙って攻撃する「分子標的治療薬」の出現です。肺がんの組織内に特定の遺伝子異常があるとそれに合わせた分子標的治療薬が非常によく効くことが知られています。中には1週間程度で陰が消えてしまうような人もいます。また通常の抗がん剤も新しい薬剤が開発されており、生存率の延長に寄与しているものと思われます。
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資料:独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター
 
 放射線治療の進歩も顕著で、特に病変部へ十分量の放射線が照射され、さらに正常組織へはなるべく放射線が当たらないような工夫が進んでいます。現在では全てコンピューターで制御・管理されており、安全に治療が行われています。

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