体腔鏡下手術

 近年、画像診断の進歩と普及によって、より早期の段階で腎がんとされる患者さんが増えています。腎がん治療の基本は手術ですが、正常の腎臓組織を温存する腎部分切除術が広く行われるようになり、手術の低侵襲化が進む一方、より高い技術が求められるようになってきております。
 当科では、山口県内では数少ない、日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外学会腹腔鏡認定医(泌尿器)が常勤している施設です。山口県内ではほとんど行われていない,体腔鏡下腎部分切除を積極的に施行しています。 一方、すでに転移を有する進行腎がんに対する治療も、近年大きく進歩しております。従来の免疫療法に加えて、多くの分子標的治療薬が使用可能となる中で、当科ではその豊富な症例経験を生かし、ぞれぞれの患者さんに最適な治療法の選択を提案しております。
 
 当院では、腹腔内視鏡手術を積極的に施行しており、腎部分切除も腹腔鏡下で行っています。手術方法は、腎臓に入る動脈、腎臓から出る静脈の順に処理をして、腎臓を周囲の脂肪ごと副腎も一緒に取る根治的腎摘出術が行われます。4cm以下で腎臓の辺縁にできているがんに対しては、がんのできているところを部分的に取る腎部分切除でも、根治腎摘出術と同等の治癒率がえられています。
 腹腔鏡下手術は、近年、症例数が増加し、根治的腎摘、腎尿管全摘が年間40例程度、腎供者等の腎摘、腎盂形成術、副腎摘除術などを年間10例程度施行しており、山口県内では手術手技、件数ともにトップレベルです。

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