下肢静脈瘤

①下肢静脈瘤とは

低侵襲な血管内治療ができるようになりました!!

 下肢静脈瘤は成人の10~50%に見られる比較的ありふれた病気です。
下肢静脈は動脈によって運ばれた血液を心臓に向かい運ぶための血管です。ただ、人間は立って暮らしているので重力に逆らって下から上に運ぶ必要があります。
 下肢の血液を心臓へ向かって運ぶために幾つかの機能があるのですが、特に大事とされるのが①ふくらはぎの筋肉によるポンプ作用、②静脈弁です。
 下肢静脈の静脈弁は、立っている時、血液が足に向かって逆流するのを防ぐ役目があります。
この静脈弁が何らかの原因で破壊されて血液が逆流すると表在静脈(皮膚に近い静脈)が蛇のように曲がり『下肢静脈瘤』という状態になります。
 

②下肢静脈瘤の症状は

 下肢静脈瘤の症状ですが、軽度のものだと美容上の問題(血管が浮き出る)から「ふくらはぎがだるい」「重い」「痛み」「こむら返り(足がつる)」「むくみ」などがあります。
ただ進行すると湿疹、色素沈着(足が茶褐色になる)、脂肪皮膚硬化症といった皮膚病変が出現し、最終的には静脈性潰瘍が出現します。この静脈性潰瘍は、日常生活に支障があるばかりでなく、難治性で一筋縄では治療が立ち行かなくなるため時間的、経済的にも支障を来すようになります。
 

③下肢静脈瘤の治療は

 下肢静脈瘤の治療は、基本的に症状のある人に対し行います。
a) 保存的療法 (弾性ストッキング)・硬化療法
 弾性ストッキングという締め付けの強いストッキングを履くことで、下腿(ふくらはぎ)の筋ポンプ作用を補助し下肢静脈還流を改善させます。
 硬化療法は静脈瘤に薬を注入して固める方法です。軽症の静脈瘤に有効とされています。
b) 下肢静脈ストリッピング
 従来の治療法で現在でも行われています。弁が壊れた表在静脈をストリッパーという器具を用い抜去します。下記の血管内治療に比べ高侵襲(ダメージ大きい)です。
 

低侵襲な下肢静脈瘤治療

c) 血管内治療(レーザー、高周波治療)
 最近の治療法です。今まではストリッピングしていたような病態に対し低侵襲で治療ができます。レーザーまたは高周波を用い静脈を焼灼し血管内を閉塞させます。
 2011年に波長980nmレーザーによる治療が保険適用となりました。
 2014年には上記のレーザーより低侵襲に血管内治療が行える高周波(ラジオ波)、レーザー(波長1470nm)が保険適用となりました。

 当施設ではこの最新機器を導入し、より低侵襲な下肢静脈瘤治療が行えるようになりました。

 下肢静脈瘤が気になる方、「足のだるさ、むくみ」が気になる方は心臓血管外科外来までお問い合わせ下さい。
 

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤
 

 詳しい説明はpdfをクリックして下さい。
 下肢静脈瘤について.pdf (PDFファイル : 832KB)

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