TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)

ハートチームの総合力で行われる大動脈弁膜狭窄症に対する最先端医療 TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)

 当心臓血管センターは、より高度な心臓血管治療に対応するために循環器科、心臓血管外科を中心に2020年6月に開設され、2021年10月経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI、タビ)の実施施設に認定されました。TAVI実施施設は県内では大学病院に次いで2施設目となります(2022年1月現在)。 手術適応は、ハートチームで判断し、術前、手術、術後のリハビリまですべてにおいて、チーム力が不可欠な治療です。
 当センターのTAVIチームは心臓手術のエキスパートだけで成り立っているわけではありません。心臓カテーテル治療のスペシャリスト、末梢血管治療のスペシャリストはもちろんのこと、心臓麻酔のエキスパート、心エコー・CTのエキスパート、優れた技量をもつ臨床工学技士、放射線技師、集中治療のエキスパートナース、リハビリのエキスパートなどで成り立っています。当院では幸い全てのメンバーが一流の技量を兼ね備えているためTAVIを開始することが可能となりました。 TAVIを開始することでハートチームの総合力にさらに磨きをかけ、今後の更なる最先端の治療に挑戦し続けて参りますので、ご期待ください。

ハイブリッド手術室

当院では2020年6月に最新鋭の放射線撮像装置、心エコー検査装置を備えたハイブリッド手術室を稼働しました。ハイブリッド手術室なくしてTAVIは実施することができません。ハイブリッド手術室では高度なカテーテル治療はもちろんのこと、体外循環装置を用いた心臓大血管の手術も施行可能です。

TAVIとは

大動脈弁狭窄症とは、心臓の出口にある大動脈弁が硬くなって、全身の血流が悪くなり、時に突然死を引き起こしてしまう病気です。治療は人工弁に置換する手術(大動脈弁置換術)が一般的です。手術で大動脈弁を置換するためにはそれなりの体力が必要となります。 TAVI(タビ)は、体力が低下しているような高齢者の方や、心臓以外の病気を抱えておられるような大動脈弁狭窄症の患者さんに対する、低侵襲な最新治療です。 カテーテルで人工弁を硬くなった大動脈弁の間に挿入し、押し広げて新しい弁を留置する方法で、心臓を止めないため、体の負担が少ない治療です。日本では2013年10月から医療保険が適用されました。 当センターは2021年10月7日(月)付にて、経カテーテル的大動脈弁置換術関連学会協議会が策定する実施施設基準を満たし、「経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設」として認定されております。
  • 提供:エドワーズライフサイエンス株式会社

TAVI(タビ)の利点と欠点

TAVIは最新治療ですが、どなたにも適応となるわけではありません。今まで通りの開心術の方が適している患者さんもおられます。 現時点では、一つの目安として75歳以上のご高齢の方はTAVIを、それ以下の年齢の方は開心術を行われることが望ましいと考えております。しかし75歳以上のご高齢でも色々な条件でTAVIが好ましくない方もおられるため、患者さんの全身状態を詳しく調べてTAVIか外科手術かを、ハートチームと患者さんが一緒に決めていく必要があります。
 
利点 欠点
開胸手術に比べて身体の負担が小さい。 自己の弁にはめ込む為、弁の大きさに制限がかかる。
出血量や輸血量が少ない。 手術に比べて植え込みの精度はやや劣る。
入院期間が短い
(術後約1週間で退院可能。開胸手術だと術後10-14日で退院可能)
長期(10~20年)の耐久性が不明。
抗血小板剤の内服が必要。
 
費用
高額療養制度が適用されます。
治療と入院費の自己負担額は、年齢や所得、保険の種類などで変わりますが、約5~20万円です。

ご予約

TAVIは大動脈弁狭窄症患者さん治癒への新たな治療手段です。
当院心臓血管外科・循環器科(心臓血管センター)へお気軽にご相談ください。
 
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