検体検査

生化学・血液検査

  • 1日のべ、生化学・免疫検査400~500検体、全血球算定(CBC)350~450検体、出血傾向100検体前後の検体が病棟や外来から当検査室に提出されます。
  • そのうち生化学検査で約8割、血液検査では約9割を至急検体が占めます。
  • 当院では、病棟の早朝採血が行われています。朝7:00頃には検体が病棟から検査室へ提出されるため、生化学、免疫検査担当技師1名が朝7:00(月曜日は朝6:30)に早朝出勤を、血液検査担当技師1名が朝7:30に早朝出勤を行い、機械の立ち上げ・メンテナンス・検体処理等の対応をして順次結果を病棟に報告しています。
  • この体制により、外来の検体検査(至急)に支障の出ることはなく、迅速に約30~40分で結果報告しています。
  • アーキテクト i2000SR(アボットジャパン)
  • AU5800(ベックマンコールター)

生化学機器一覧

 
測定機器 検査項目
アーキテクト i2000SR
(アボットジャパン)
血液 腫瘍マーカー(PSA、CEA、CA19-9、CA15-3、CA125、SCC、AFP、PIVKA)
甲状腺検査(FT-3、FT-4、TSH)
ホルモン検査(エストラジオール、FSH、LH、プロゲステロン)
インスリン、フェリチン
胸水、腹水 SCC、CEA
アーキテクト i1000SR
(アボットジャパン)
血液 感染症(HBs抗原、HBs抗体、HCV、HIV)
BNP、トロポニン、プロカルシトニン、HCG
AU5800
(ベックマンコールター)
2台
血液 肝機能検査
腎機能検査
免疫検査(IgG、IgA、IgM、C3、C4、RF、MMP-3)
感染症(ASO、梅毒)
線維化マーカー(KL-6)
血糖、脂質、電解質、CRP、鉄
尿 β2MG、NAG、電解質、糖
BUN、UA、AMY
胸水、腹水 蛋白、糖、LDH、AMY、電解質
髄液 糖、LDH、クロール
ディメンション EXL200
(シーメンス)
血液 薬物検査(ジゴキシン、テオフィリン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、バルプロ酸、バンコマイシン)
乳酸
重炭酸塩
尿 蛋白
髄液 蛋白
ラピッドラボ1200
 (シーメンス)
全血
臍帯血
胸水・腹水
血液ガス
FUJI FILM
 DRI-CHEM 100
血液 アンモニア
OSMO STATION 
   OM-6060
 (アークレイ)
血液、尿 浸透圧
用手法 血液 新生児ヘマトクリット、新生児ビリルビン
尿 妊娠反応

血液検査

 全血球算定(CBC)と出血傾向は、どの診療部からも提出され、日常的に行われている検査です。
だからこそ、24時間至急対応が欠かせません。
当検査室では、ルーチン検査と時間外検査(緊急検査)を同じ測定機器を使用することにより、
検査結果の信頼性を高めています。
鼻汁・喀痰・気管支洗浄液・便などの好酸球・好中球の検査もしています。
(*便好酸球は、母乳アレルギーの指標となります。)

血液検査機器一覧

 
測定機器 検査項目
 DxH1601
 (ベックマンコールター)  
末血一般、白血球分類、網状赤血球
(臍帯血を含む)
その他(胸水、腹水など)末血一般
  STA-R EVOLUTION
    (富士レビオ) 
出血傾向(PT、APTT、Fib、ATⅢ、FDP、Dダイマー)
その他(胸水、腹水など)Fib
 ADAMS A1c  HA-8190V
      (アークレイ)
グリコヘモグロビン
  用手法 好酸球・好中球(鼻汁、喀痰、気管支洗浄液、便など)
LE細胞
出血時間
  • ベックマンコールター DxH1601

一般検査

 一般検査は尿、糞便、髄液、体腔液(胸水、腹水、心嚢液)、CAPD排液、BALF(気管支洗浄液)、精液、関節液の検査を実施しています。また、尿素呼気試験と外来採血を行っています。
  • 尿定性、沈渣
 尿定性は、尿中に排出された蛋白やブドウ糖をはじめ、様々な成分を定性または、半定量的に測定します。尿沈渣は、腎・泌尿器系から出た血球や細菌、上皮、結晶などを観察しているので、その間の癌細胞の発見にも繋がる事もあります。
  • 尿定性検査機器
  • 尿沈渣検査機器
  • 糞便
 大腸癌のスクリーニング検査としての便潜血検査、虫卵検査を行っています。
  • 便潜血検査機器
  • 髄液、体腔液(胸水、腹水、心嚢液)、CAPD排液、BALF(気管支洗浄液)
 各検体の細胞数を計測しています。
  • 精液検査
 現在は、不妊外来のスタッフが行っています。
  • 関節液検査
 関節液中の白血球数と結晶を至急で報告しています。
  • 尿素呼気試験
 ピロリ菌の検出の為の呼気を採取し、至急で結果報告をしています。

外来採血

 採血管ロボを導入し、検査室他部所のスタッフの応援も来て、5~6人態勢で8:00から採血を行っています。一日、150~350名の採血を行い、病棟には、前日予約の採血管を作成して、各病棟に配付しています。

輸血検査

 当院では1年間に約700~800人の患者さんが輸血治療を受けています。手術に備えた血液確保や出血・貧血といった治療のために、24時間体制で臨床検査技師が輸血検査を行っています。
 輸血検査業務には、患者さんのABO・RhD血液型検査・不規則抗体検査、また血液製剤と患者さんの血液を用いて行う交差適合試験があります。令和2年4月には、カード用全自動輸血検査装置 IH-500(バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社)を導入し、より安全で効率的に輸血検査が行えるようになりました。
 当院は、周産期母子医療センターを有しており、妊産婦の出産に備えての血液準備や新生児溶血性疾患検査なども行っています。待機的手術において、あらかじめ計画的に患者さん自身の血液を貯血する「自己血」の採血介助・保管・管理も輸血検査が担当しています。
 輸血用血液製剤は、バイオラッド輸血管理システムで、血液製剤の入庫・在庫管理、輸血施行した患者さんの輸血履歴などの一元管理を行っています。
  • カード用全自動輸血検査装置 IH-500

特殊検査・外注検査

 特殊検査では、上気道感染の原因のインフルエンザウイルス・RSウイルスの検出、ウイルス性胃腸炎の原因である便中ロタウイルス・アデノウイルスの検出、肺炎の原因菌である肺炎球菌・レジオネラの尿中抗原検出など、迅速診断検査キットを用いて24時間体制で検査を行っています。また、ICGや寒冷凝集素価など、自動機器で行わない検査を、用手法で行っています。
外注検査は、院内で実施していない検査を、院外の検査センターに委託しており、その委託検体の分注・保存、検査依頼・検査結果報告を行っています。

細菌検査

 細菌検査は、感染症の原因となっている病原菌を血液や喀痰、尿、便などから検出します。
そして、原因菌に適切な抗菌薬を調べるため、薬剤感受性試験を行います。
細菌検査室では、グラム染色や血液培養を24時間対応し、臨床に貢献しています。
また、抗菌薬の適正使用や院内感染防止のため、病棟ラウンドにも参加し、チーム医療にも積極的に取り組んでいます。

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