64列CT装置を320列CT装置へ更新

64列CT装置を320列CT装置へ更新
当院のCTは、2023年5月に320列CT装置(Canon Aquilion ONE )に更新され320列CTと64列CTの2台体制となりました。320列CTは、特に、広い範囲を瞬時に撮影することが可能なため、高精細・高画質の画像を、少ない放射線被ばくで得ることができます。さらには臓器機能の解析ができるなど、従来にはなかった数々の特徴・利点があります。

320列CTの特徴および利点

1. X線被ばく線量を抑える
AI(人工知能)の一種であるディープラーニングを利用した最新の画像処理技術が搭載されています。通常のCT装置では、高画質を得るためには患者さんへの多くのX線被ばくが必要であり、X線被ばく線量を抑えると画質が劣化してしまいます。しかし、この装置ではAI技術により患者さんのX線被ばく線量を抑えていても高画質を得ることが可能となっています。

2. 高速撮影が可能
循環器領域においては、狭心症の診断に冠動脈CTは必須の検査です。心臓は常に拍動していますので、撮影には高性能のCT機械が必要となります。特に、高速撮影できる装置(カメラで喩えるならシャッタースピードが速い装置)が適しています。当院の320列CT装置は、冠動脈CT検査などの心臓撮影に適しています。コマ撮りのごとく、画像を積み重ねることで心機能の解析も可能です。

3. 脳全体の血管造影検査や血流動態検査が可能
頭部領域320列CT装置では、広範囲撮影を生かして脳全体の血管造影検査や血流動態検査が可能です。

4. 小児領域でのニーズに応える
小児領域は、体格が小さいこと、息を止めたりじっとしたりと協力してもらうことが時に難しいこと、被ばくもできるだけ避けたいこと、などなどCT検査にとっては非常に難しい領域です。高画質な画像、高速に広範囲撮影、被ばく低減といった320列CT装置の特徴・利点は、そのまま小児領域でのニーズに応えるものといえます。

5.正確な診断への手助けになる
冠動脈や心腔内の弁が鮮明に抽出されたり、息止めが困難な患者でもきれいな肺の画像が得られたりするため、より正確な診断への手助けになります。また、造影剤を注入しながら4D(動画)撮影を行うことも可能な為、64列CTでは不明であった大動脈解離の内膜破たん部(エンドリーク)が判明した事例もありました。

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